メモリアルジュエリーの回
こんにちは。
暑いです!山梨は暑い!そして工場のエアコンは壊れています。
もう何年も前から壊れています。
あまりの暑さに最近エアコン導入を真剣に考えてくれるようになりました。社長が。
どんなに暑くても今年中には涼しく仕事は出来そうに有りません。で、涼しいパソコン仕事に逃げてきました。
今作っている自社製品のお話です。
犬大好きな社長がメモリアルジュエリーを作ろうと。
市場に多く出回っている物は金物で中が見ない。
中を眺められるメモリアルジュエリーが欲しい。
という事で、まずシンプルなシリンダー型で製作開始となりました。
透明と言えば水晶。
人工水晶の原石です。
人工水晶は、種になる水晶(板状が多い)を機材(溶剤)に入れると、種水晶の表面に析出し成長していきます。
厚みの真ん中にこの種水晶が入っているので、分厚い原石でも半分にスライスしこの部分を取り除いて使います。
なのであまり厚みの有るものは作れません。
今回の石は大きな原石だったので、小割(小さいサイズに切断)出来るサイズに大割(大きいサイズに切断)しました。
当社では大割、中割、小割と三段階の切断機材が有ります。そのうち写真載せますね。
11㎜のシリンダー(円柱)を作成するので13㎜程度の角柱に切り出します。(小割)
この後持具(後程機材の写真有ります)に挟み込む為、赤線部分が平行になるように削ります。
赤線部分が平行でないと、固定する時に中心がズレたり、持具から滑って外れてしまったりします。
次の工程の時間短縮の為にエッジも少し削りました。
挟み込むときに中心が分かりやすい様に印も付けます。
機械に挟み込みます。
切削開始。
石の下で回転しているのが円盤状のダイアモンド工具。
メッシュ(粒度)180程度だったと思います。
丸くなってきたのわかりますか?
時々ノギスでサイズを測ります。
0.2㎜程度大きいサイズで終了出来ればこの後の工程が楽(時間短縮)なのですが、上記のダイアモンド工具がおろしたてで表面が粗く、深い溝が所々発生してしまっています。
なので、この溝を削り取る為に0.5㎜程度大きいサイズを目指します。
機械切削終了。
白い筋(研磨痕)が全体的に入っています。
太めにはっきり筋が有る部分が、とても深い研磨痕。
これを取るのが中々大変でした。
赤線が研磨痕方向。これを取る為には垂直方向(青矢印)に研磨します。
通常の研磨では、常に前の研磨痕に対し垂直(平行にならないよう)に研磨して目を詰めて(メッシュを細かく)いきます。
平行に研磨してしまうと更に深くなったり、研磨痕が無くなったかの判断がしにくくなります。
前工程のメッシュが180だったので#320で研磨しましたが、なかなか研磨痕が取れなかったので#180に戻り、#180→#320→#600と細かく研磨していきました。
綺麗になりました。
色々な石を同様に加工しています。水晶以外は天然です。
今考えれば水晶も天然で作れば良かった。なぜあの時人工水晶にしたか、、、記憶が有りません。
白水晶、黄水晶、茶水晶、アメジスト、ローズクォーツ、黒白メノー、赤白メノー。
磨きはバレルに投入。
艶出しの一歩手前、アレキサン上がり。
半艶位の仕上がりです。メノーは粘りが有るのでかなり艶が出ています。
以前も書いたかもしれませんが、同じ硬度でも水晶は脆く削りやすく、瑪瑙は粘りが有り削るのに力が要ります。
磨きあがった写真を撮るのを忘れました。
そして現在穴あけ、穴磨き中です。
しばらく時間がかかりそうなので今回はここまで。
長々お付き合い有難うございました。
次回も宜しくお付き合いください。